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Dental 2026

歯科のベースアップ評価料を、
図解でつかむ。

職員の賃上げに使うことを条件に、診療報酬が上乗せされる制度です。届出そのものは簡単ですが、つまずくのは8月の報告と、賃上げの配り方です。このページは、院長先生が全体像を10分でつかめるように、図だけを追えば分かる構成にしています。

歯科医院向けに、令和8年度の制度内容を整理しました。数字はすべて令和8年度時点のものです。「うちはどう動けばいいのか」が分かるところまで書いています。

30秒でわかる、お金の流れ

まず押さえたいのは「医院の利益にはならない」ということです。

図1 入ってきたお金は、全額が職員の給与になる

IN 患者さんの負担+健康保険 初診・再診・訪問診療のときに、決められた点数が上乗せされます。
THROUGH 医院に入る レセプトを通じて、通常の診療報酬と一緒に入金されます。
OUT 全額を職員の給与へ 基本給または毎月決まって支払う手当の引上げに使います。残しておくことはできません。

つまり、医院の手元に残るお金はゼロです。「もらえる補助金」ではなく、賃上げのための原資を国が用意してくれる制度考えてください。自腹を切らずに職員の給与を上げられること自体が、この制度の価値です。

誰の給与に使えるのか

歯科衛生士・歯科助手・受付・医療事務・歯科技工士など、医院で働く職員が対象です。施設基準で対象から外れるのは、開設者・管理者・法人の代表者・役員40歳以上の歯科医師および医師業務委託で勤務しているです。

勤務の歯科医師は、40歳未満で、かつ開設者・管理者・役員のいずれにも当たらない場合に対象へ入ります。院長先生ご自身は、個人の医院では開設者かつ管理者に当たるため、年齢にかかわらず対象外です。ご家族が事務を担っている場合も、管理者や法人の役員に当たらないかをご確認ください。派遣職員は、派遣元との取決めなど一定の条件を満たす場合にかぎり対象にできます。ここを取り違えると対象職員数が変わり、賃金改善計画と届出の内容が根本から変わります。

年間スケジュールと期限

この制度でつまずきやすいのが期限です。8月の報告を落とすと、算定そのものができなくなります。

図2 1年の流れ(濃い丸が落とせない期限)

  1. 5月ま
    出す(令和8年は5月7日〜6月1日必着 生局提出します。受理されると、原則として翌月1日から算定できます。令和8年度は、すでに算定していた医院も全院が出ししです。 すと:6月からの算定ができま
  2. 61
    開始 月から賃上げも始めます。算定した期間と賃上げした期間は、原則そろえる必要がありす。
  3. 8
    報告書 年度賃上げの状況を報告します。令和8年度分は、6月・7月の2か月分が対象です。 すと:施設基準を満たさなくなりま
  4. 8
    績報 年度算定していた医院は、前年度分の実績もあわせて報告します。中間報告書とは別の書類です。 すと:施設基準を満たさなくなりま
  5. 5月ま
    して令和9年5月までに使い 8年度の改定で、翌年度へ繰り越す規定はなくなりました。算定期間(令和8年6月〜令和9年5月)のうちに配り切る設計が必要です。
  6. 5月ま
    年度届出(Ⅱ)は毎年必要 Ⅰ)を続けて算定する場合にかぎり、令和9年度分の届出は不要です。ただし(Ⅱ)は毎年6月1日時点で算定できるよう届け出る必要があり出し忘れると令和9年6月から(Ⅱ)が算定できません。報告書は毎年必要です。

届出は1回で終わりではありません。毎年8月の報告が、算定を続けるための条件なっています。届出を出したあと放置してしまう医院がいちばん危ないパターンです。

まだ届け出ていない医院へ。この期限を過ぎていても、来年5月まで待つ必要はありません。年度の途中でも届け出られ、受理されれば翌月1日から算定できます。お令和8年8月以降に新規で算定を始める場合、中間報告書の提出は要りません。算定を始めるのが遅れるほど、その年度に受け取れる額が減ります。

うちはどのパターン?

やることは、いまの状況で3つに分かれます。まずここを確かめてください。

図3 3つのパターンと、いま打つ

PATTERN A

令和8年3月31日の時点で、すでに届け出て算定していた

令和6年度から算定を続けてきた医院はこちらです。この事実だけで、あとで説明する高い点数(正式には「継続的賃上げ実施施設」の区分。本ページでは「継続区分」と呼びます)を算定できます。賃上げ率を証明する書類は要りません。

やること:令和8年度の届出書を出し直し、8月の報告を期限内に出す。

PATTERN B

届け出ていなかったが、実際には賃上げを続けてきた

令和6年3月と比べて一定水準の賃上げをしていれば、その実績を示すことで継続区分を取れます。届出をしていなかっただけで諦めている医院があります。

やると:過去の賃金台帳か水準を満たすか検証し、追加の書類を添えて届出する。

PATTERN C

届出も賃上げもしていない

まずは通常の点数で算定を始められます。継続区分は取れませんが、来年度に向けて賃上げを設計しておけば、次の年から高い点数に移れます。

やること:通常の点数で算定を開始し、同時に来年に向けた配分計画をつくる。

パターンBかCかは、令和6年3月時点の給与体系と現在を比べないと判定できません。ここは賃金台帳を見ながらの作業になります。

継続区分で、点数が約1.5倍になる

賃上げを続けている医院を評価する上乗せがあります。金額の差はここでつきます。

図4 通常の点数と継続区分の点数(歯科・令和8年度)

初診料等
通常
21点
継続区分
31点
再診料等
通常
4点
継続区分
6点
歯科訪問診療料(同一建物居住者以外)
通常
66点
継続区分
107点
歯科訪問診療料(同一建物居住者)
通常
11点
継続区分
21点

初診・再診は約1.5倍ですが、訪問診療は1.6〜1.9倍なります。訪問診療に力を入れている医院ほど、継続区分を取れるかどうかで差が大きくなります。実際の金額は算定回数によって変わります。

この点数が適用されるのは令和8年6月から令和9年5月までです。令和9年6月からは初診料等42点・再診料等8点(継続区分は52点・10点)などへ引き上げられる予定です。賃上げの設計は、この先の水準も見たうえで組んでください。

原資が足りないときの上乗せもある

職員数が多く、上の点数だけでは賃上げの原資に届かない医院には、さらに上乗せして算定できる仕組みがあります(歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ))。届け出られるかどうかと上乗せの区分は、職員の給与総額と算定回数から計算して決まります。

届け出るには、(Ⅰ)を届け出ていること(入院ベースアップ評価料を届け出ていないこと)、(Ⅰ)で算定が見込まれる点数に10円を乗じた額が、賃金改善に必要な額の5割未満であること常勤換算2名以上の対象職員がいること(地域によって例外があります)、社会保険診療等の収入が総収入の80%を超えること、入院料の算定が1か月あたり30回未満であることなどの条件があります。職員数が多い医院ほど必要な原資が大きくなるため、(Ⅰ)だけでは足りず対象になりやすくなります。

賃上げの「配り方」が要点です

配り方は医院の裁量に任されています。ただし、全員に同じ率で配ると継続区分を落とすことがあります。

図5 求められる賃上げ水準は、職種で2つに分かれる

① 事務職員を除く職員

歯科衛生士・歯科助手・歯科技工士など、診療にたずさわる職員

必要な水準 5.5% 令和9年度は8.7%

② 事務職員

受付・医療事務など、主として事務を担当している職員

必要な水準 8.0% 令和9年度は13.7%

全員に同じ率で配ると、どうなるか

  • 歯科衛生士・歯科助手に 5.5満た
  • 受付・医療事務にも 5.5届かない

判定は、2つのグループそれぞれに必要な額を足し上げた合計行います。片方が超えていれば、もう片方の不足を埋められます。ただし事務職員は人数が少なく金額も小さいため、率で見ると先に水準を割ります。合計で届いているかを必ず確かめてください。

水準が高い側は「事務職員」です。歯科衛生士ではありません。賃金水準が相対的に低い職種を厚めにする、という国の考え方が入っています。この率が必要になるのはパターンBの医院だけで、パターンAの医院は率を示さずに継続区分を取れます。

8.0%は、医院の自腹ではありません

「8%も上げるのは無理だ」と感じられると思いますが、これは令和6年3月からの積み上げの水準です。令和8年度に新しく配るのは、事務職員で5.7%分、それ以外の職員で3.2%分です。その分の原資は制度側が用意しています。賞与や社会保険料の事業主負担が増える分も、原資の計算式に織り込まれています。事務職員の基本給の総額そのものが小さいので、率で見ると大きく、金額で見ると小さい、というのが実際のところです。

やってはいけない3つ、やっていい1つ

配り方は自由ですが、明確に禁じられていることがあります。

図6 配り方の作法

ほかの手当を減らして原資に回す

職務手当を削ってベースアップ手当をつくる、はできません。対象にした項目以外の賃金水準を下げてはならないと定められています。

賞与や一時金だけで配る

原則は「毎月決まって支払う給与」の引上げです。賞与での配分が認められるのは、先に月々の引上げをしたうえで、それでも収入が上回った場合に限られます。

どの項目で上げたか決めずに配る

「なんとなく昇給させた」では実績を証明できません。対象とする賃金項目を特定して行うことが求められています。

「ベースアップ手当」を新しくつくる

毎月決まって支払う手当であれば、新設して構いません。基本給と分けておくと、翌年以降の報告書づくりが楽になります。実務では、これがいちばん扱いやすい方法です。

職員への周知も要件です。賃上げの方法を伝えること、就業規則の内容を知らせること、そして職員から「自分はいくら上がったのか」と聞かれたら、書面を用いて説明することなどにより回答すること、までが定められています。

8月の報告で、最も多い間違い

継続区分で算定している医院ほど、ここを間違えます。

図7 報告書に書く収入額は、上乗せ前の点数で計算する

よくある間違い

窓口で実際に算定している点数で計算してしまう

初診 31 × 回数
再診 6点 × 回数

収入額が約1.5倍に膨らみます。すると「賃上げが収入に追いついていない」という報告になり、実際には足りているのに不足しているように見えてしまいます。

正しい計算

上乗せ分を除いた、本体の点数で計算する

初診 21 × 回数
再診 4点 × 回数

継続区分で算定していても、報告書の計算では上乗せ前の点数に置き換えます。国の疑義解釈で明確にされている扱いです。

同じ回数でも、計算に使う点数を間違えるだけで報告書の結論が変わります。過去に提出した報告書を見直すと、この誤りが見つかることがあります。心当たりがあれば、一度ご確認ください。

医院だけでは判断が難しいところ

ここから先は、賃金台帳と就業規則を見ながら一つずつ決めていく作業になります。院内で判断せず、確認してから進めてください。

図8 実務でつまずく5か

  • 歯科助手を兼務している職員は、どちらのグループに数えるの 按分するのではなく、「主としてどちらを担当しているか」で丸ごと決まります。歯科医院でよく出てくる論点です。 えると:2つのグループの水準判定が両方ずれま
  • 途中で入職・退職があっ していた期間だけを対象にしますが、一人ごとの在籍月数で割るのではなく、決められた月数で割って1か月あたりに換算す。 えると:賃上げ額が実際の何倍にもなって報告されま
  • 歯科医師が、年度の途中で40歳に なるのは40歳未満の方だけなので、途中で対象から外れます。誕生月の管理が必要になりす。 えると:対象者と金額の両方が合わなくなりま
  • 人数が1割以上変わっ (Ⅱ)を算定している医院では、人数が1割以上動いて区分が変わる場合、あらためて届出が必要です。常勤換算8人の医院なら、非常勤1名の入退職で該当す。 えると:づかないうちに過大に算定し、返還になりま
  • 6年3月時点の給与体系での金額が出せ 告書「当時の給与体系を今の職員に当てはめたらいくらか」を計算します。賃金規程や等級表が整っていない医院は、ここでまりす。 えると:計算できない職員を除いて報告し、実績が過大になりま

5つのうち1つでも「どう判断すればいいか分からない」があれば、そこは制度の設計上、判断が難しくつくられている箇所です。院内で決めてしまう前に、一度ご相談ください。

当事務所ができること

書類を書くところだけではなく、その手前の賃金設計と、その後の毎月の確認までをお手伝いします。

  • 対象職員の確定と職種の振り分け 兼務している職員の判定と、その根拠を書面に残すところまで行います。
  • 賃上げの配分設計 2つのグループの水準を落とさない配り方を、医院の人員構成に合わせて設計します。
  • 賃金規程・就業規則の整備と職員への周知 施設基準で求められている周知と、職員への説明の準備を整えます。
  • 届出書・報告書の作成支援 必要な様式の判別から、数値の算出・記入内容の確認までをご一緒に進めます。
  • 毎月のモニタリング 職員数の変動、40歳到達、入退職の記録を継続して確認し、8月の報告につなげます。

届出書・報告書は医院名義で作成・提出いただき、当事務所はその作成を支援します。給与計算をあわせてお任せいただくと、賃金台帳の数字がそのまま使えるため、毎年の報告の手間が大きく下がります。料金は医院の規模と支援範囲によって変わりますので、料金のページご覧いただくか、無料相談でお見積りをお伝えします。

ご注意

本ページは令和8年度の診療報酬改定にもとづいて作成しています。点数・賃上げの水準・様式は年度によって変わり、国から追加の解釈が示されることもあります。掲載内容は一般的な整理であり、個別の医院での取扱いを保証するものではありません。実際の届出・報告にあたっては、厚生労働省の公式資料および地方厚生局の指示をご確認いただくか、当事務所へお問い合わせください。(最終更新:20269月13日)

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※ 回答は各AIが生成するもので、当事務所が作成したものではありません。制度や金額が誤っている場合があります。

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