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社会保険

農林水産業の労災保険はいつから義務化されるのか

農林水産業の労災保険は、「少人数だから加入は任意」とは限りません。今の加入義務と、改正に向けて必要な対応を押さえましょう。

この記事のポイント

  • いつから:暫定任意適用の廃止は、2031年4月1日に施行する政令案。施行までは現行制度で判断します。
  • 誰が対象:人を雇う法人は今も原則加入が必要。廃止後は、任意だった一部の小規模な個人事業も対象になります。
  • 今やること:加入義務と加入記録を確認。加入漏れは手続きを進め、任意適用なら従業員の加入希望と補償を検討します。

この記事が役立つ方

対象人を雇う農林水産業の事業主
困りごと少人数・季節雇用でも加入が必要か知りたい
読後にできること加入の要否と手続きの進め方が分かる

いつから変わる?

一定の小規模な個人経営で、申請と認可によって労災に加入する扱いを「暫定任意適用」といいます。2026年7月に成立・公布された改正法で、この扱いの廃止が決まりました。

廃止の施行日は政令で定められ、2026年9月公表の政令案では2031年4月1日とされています。施行までは、現在の制度で加入義務を判断します。施行期日の政令案・答申

現在と、廃止の施行後

  1. 現在
    事業の条件で判断
    法人や一定規模以上の個人事業などは加入義務あり。一部の小規模な個人事業は暫定任意適用。
  2. 廃止の施行後
    任意の扱いをなくす
    これまで暫定任意適用だった事業も、労働者を雇えば原則として労災保険の対象に。
農林水産業の暫定任意適用廃止は、他の改正項目の2027年4月1日施行とは別です。

自社は加入が必要?

法人が労働者を雇う場合は、現在も原則として加入が必要です。農業法人が収穫期だけアルバイトを2人雇う場合も、人数や短期雇用だけを理由に任意適用にはできません。

個人経営では、次の範囲が暫定任意適用に当たり得ます。人数だけでなく、仕事内容や雇い方も判断材料になります。

個人経営で任意適用になり得る範囲

農業・畜産・養蚕常時使用する労働者が5人未満。ただし、危険・有害作業などの例外があります。
林業労働者を常時使用せず、年間の使用延べ人数が300人未満。両方を満たす必要があります。
水産業常時5人未満。採捕は、総トン数5トン未満の漁船、または主に河川・湖沼・告示水面で操業するもの。養殖等も対象になり得ます。
林業の延べ人数は、日ごとの労働者数の合計です。船員法の船員を使用する船舶所有者の事業は、暫定任意適用から除かれます。

農業等でも、指定された危険・有害作業を主とし、労働者を常時使用する事業や、事業主が農業の特別加入をしている事業は除外されます。該当しそうな場合は、作業内容を整理して監督署へ相談してください。現在の適用範囲・危険・有害作業の告示

家族だけで営む事業も、廃止によって一律に通常の労災へ加入するわけではありません。労働者に当たるかと、特別加入の対象を分けて判断します。

今、何をすればよい?

加入状況を確かめて、手続きへ進む

  1. 加入書類を探す。成立届の控え、任意加入の認可通知、労働保険番号、年度更新の申告書を確認します。
  2. 雇用・賃金の資料を揃える。法人・個人の別、仕事内容、人数、雇用開始日・期間、賃金が分かる資料をまとめます。
  3. 加入状況と必要な届出を確認する。委託先の事務組合等へ、委託先がなければ所在地を管轄する労働基準監督署へ問い合わせます。書類がなければ「不明」で相談できます。

自社の状況に合う手続きを選ぶ

加入義務があり、未手続き監督署へ相談し、保険関係成立届と概算保険料の申告・納付を進めます。義務化の施行を待つ必要はありません。
暫定任意適用で、加入したい監督署を経由して労働局長へ任意加入を申請します。保険関係は認可された日に成立します。
すでに加入している賃金を集計し、毎年の年度更新を続けます。廃止を理由に重複して加入申請する必要はありません。
雇用保険、健康保険・厚生年金は、それぞれ別の加入条件と手続きがあります。

強制適用では通常、成立日の翌日から起算して成立届は10日以内、概算保険料の申告・納付は50日以内です。期限を過ぎている場合も、雇用開始日と過去の賃金資料を揃えて相談してください。成立手続きと期限

暫定任意適用でも、労働者の過半数が加入を希望した場合は、事業主に申請義務があります。加入しないまま施行を待つのではなく、従業員の希望と現在の補償を踏まえて判断しましょう。任意加入の根拠法

保険料も見込んでおきましょう

労災保険料は、対象労働者の賃金総額×業種別の保険料率で計算し、全額を事業主が負担します。2026年度の農業の通常の率は13/1,000。年間賃金300万円なら、労災保険料は年39,000円です。

これは通年・メリット制等を考慮しない例で、一般拠出金・雇用保険料・委託料は別です。林業や海面漁業は率が異なり、将来の率は年度別の料率表で確認します。加入後は原則、毎年6月1日〜7月10日に年度更新を行います。

加入の判断や書類の準備に迷ったら

富山市のみなの社会保険労務士事務所では、労働保険の成立手続き・年度更新を支援しています。所在地、仕事内容、働く人数・時期、加入書類の有無を添えて、初回無料相談をご利用ください。加入状況が分からない段階でもご相談いただけます。

NEXT STEPS

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参考情報

制度情報:2026年10月5日時点。関連する発信:高市早苗氏のX投稿(2026年10月3日)。

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