人口が少ない地域で、従来と同じ人員・設備をそろえながら在宅介護を維持することが難しくなっています。こうした地域向けに「特定地域居宅サービス」の枠組みが法律で設けられました。ただし、富山県内の中山間地域が一律に対象になるわけではなく、具体的な基準や報酬は今後の公式情報を確認する必要があります。
この記事が役立つ方
対象中山間地域で在宅介護サービスを運営する経営者・管理者
困りごと新制度の対象地域や人員配置が決まったと思い、先に勤務体制を変えるべきか迷っている
読後にできること確定事項と未確定事項を分け、公式公表を待つ間の労務データを整えられる
この記事のポイント
- 新しい地域サービスの法的な枠組みは整いました
- 対象地域・対象サービス・人員基準・報酬の詳細は今後の確認が必要です
- 今できるのは、兼務・移動時間・資格・勤務実績を見える化することです
対象地域・サービスが決まるまでの確認順
国の要件省令・通知等
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地域課題市町村の意向・サービス確保
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都道府県指定等の公式手続き
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公表を確認対象地域・対象サービス
図1:法的枠組みは公布済みですが、具体的な基準・報酬は2026年7月28日時点で審議中です。
法律で決まったのは「地域に応じた枠組み」
2026年6月25日に公布された改正法では、人口減少地域などでも介護サービスを確保できるよう、特定地域居宅サービス等の仕組みが設けられました。原則施行日は2027年4月1日です。全国一律の基準だけでは継続が難しい地域で、地域の実情に応じた基準や提供方法を検討できるようにする枠組みです。
ここで重要なのは、法律の公布だけで各事業所の人員基準や報酬が直ちに変わるわけではないことです。対象となる地域・サービス、具体的な指定基準、報酬評価などは、省令・告示・通知や今後の審議資料で確認します。
富山県の中山間地域が一律に対象になるわけではない
対象地域は、単に「山間部」「過疎地域」と呼ばれているだけで自動的に決まるものではありません。国が示す要件、地域の介護需要や提供体制、市町村の意向などを踏まえ、都道府県による指定等の公式手続きを確認する必要があります。所在地だけで先に判断せず、県・市町村からの公表を待ちます。
似た名称の2つの仕組みを区別する
似た名称の二つの仕組みを区別する
| 仕組み | 役割の整理 | 今後の確認点 |
| 特定地域居宅サービス | 地域の実情に応じた基準の下で、居宅サービスを確保するための新たなサービス類型 | 対象地域・サービス、指定基準、人員・運営基準、報酬 |
| 特定地域居宅サービス等事業 | 市町村が地域支援事業として、必要なサービス提供を確保するための枠組み | 実施地域、委託・運営方法、対象事業、開始時期 |
論点に上がったことと、制度として確定したことは分けて扱います。
社会保障審議会では、地域の実情に応じた人員配置や、月単位の包括的な評価などが論点として示されています。ただし、論点に上がったことと制度として確定したことは別です。正式な基準が出るまで、現行の指定基準を満たす運用を続けます。
今から整理する労務データ
新しい仕組みで兼務や柔軟な配置が認められる場合でも、職員への負担が過大になったり、サービスの質が下がったりしては運用できません。次の情報を事業所・拠点・サービス別に整理します。
公式公表を待つ間に整理する労務データ
- 職員の資格、雇用形態、所定労働時間、常勤換算
- サービス間・拠点間の兼務内容と指揮命令系統
- 利用者宅や拠点間の移動時間、待機時間、車両の利用
- 勤務表と実績の差、残業、休憩、休日、呼出し対応
- 欠員時の応援体制、事故・ヒヤリハット、苦情の状況
事業所・拠点・サービス別にそろえ、勤務表と実績の差まで確認します。
特に複数サービスを兼務する場合は、「どの時間をどの事業の勤務として扱うか」を勤務表と記録で一致させます。移動や待機が労働時間に当たるかも、業務指示や自由利用の可否を踏まえて確認します。
ここは自社だけで判断しないほうがよい
所在地だけで対象や配置変更を決めないでください
中山間地域なら対象と考える国の要件と都道府県等による公式な指定・公表を確認します。
人員基準が緩和されたと考える具体的な基準が出るまでは、現行の指定基準を満たす運用を続けます。
兼務・移動時間を勤務表だけで処理する指揮命令、待機中の自由利用、実際の業務内容を確認して労働時間を整理します。
よくある質問
- 富山県の中山間地域なら自動的に対象になりますか?
- いいえ。地域の実情や市町村の意向、国が示す要件などを踏まえた手続きが必要です。対象地域は公式な指定・公表を確認してください。
- 人員配置基準は必ず緩和されますか?
- 法律上は地域の実情に応じた基準を設ける枠組みが整いましたが、具体的な対象サービスや人員・運営基準は今後の審議・整備を確認する必要があります。サービスの質と職員負担への配慮も前提です。
- 今のうちに勤務表や配置を変えてよいですか?
- 正式な対象地域・サービス・基準が示される前に配置を減らすべきではありません。まず職種、資格、常勤換算、兼務、移動時間を整理し、現行基準を満たした運用を続けます。
制度公表に備えて、まず行う3手
- 県・市町村と国の公表を確認する担当者と確認日を決める
- 資格・常勤換算・兼務・移動・待機を拠点別に見える化する
- 正式な対象地域・サービス・基準を確認してから配置変更を試算する
当事務所のサポート
みなの社会保険労務士事務所では、複数サービス・拠点をまたぐ兼務の整理、常勤換算と勤務表の点検、移動・待機・呼出し時間の労働時間管理、正式決定後の雇用契約や就業規則への反映を支援します。地域の制度検討に備えて現在の配置を見える化したい場合は、まずは無料相談で状況をお聞かせください。
参考となる公式情報
企画の参考にした民間解説
※ 2026年7月28日時点の公式情報を確認しています。制度は改正されることがあります。手続き・金額・期限は、上記の公式情報や管轄窓口で最新の内容をご確認ください。