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助成金

【令和8年度】業務改善助成金|50円以上の引上げが条件に

業務改善助成金は、事業場内でいちばん低い時給を引き上げ、あわせて設備投資などを行った事業者に、その費用の一部が支給される制度です。令和8年度は引上げ額の下限が変わり、申請できる期間も限られています。制度の性質上、動き出す時期を外すと、その年度は申請そのものができません。

この記事が役立つ方

対象設備投資と最低賃金の引上げを同時に検討する中小企業の経営者
困りごと発注・賃上げの順序と、最低賃金改定前の短い申請期間が分かりにくい
読後にできること対象可否、コース、申請前に止めておく行動が分かる

この記事のポイント

  • 令和8年度は、事業場内最低賃金の引上げ額が「50円以上」に変わりました(令和7年度は30円以上)
  • 申請できるのは令和8年9月1日から。地域別最低賃金の発効日の前日か11月30日の早い方が締切です
  • 賃金引上げは交付申請後、設備の発注は交付決定後に行います。それぞれの着手時点を誤ると対象になりません

令和8年度の申請期間

  1. 9月1日申請受付と賃金引上げ期間が始まる
  2. 地域別最低賃金の発効日前日申請・賃金引上げの期限。11月30日より早ければこちらが締切
  3. 交付決定年度の1月31日納品、支払い、賃金引上げを含む事業完了期限
発注は交付決定後。申請期間と事業完了期限を分けて管理します。

令和8年度の変更点は「引上げ額50円以上」

いちばん大きな変更は、助成の条件となる引上げ額です。令和7年度は事業場内最低賃金を30円以上引き上げれば対象でしたが、令和8年度は50円以上引上げが必要になりました。コースも50円・70円・90円の3つに整理されています。

前年度の感覚で「30円上げれば使える」と思っていると、計画そのものが要件を満たしません。まず自社の事業場内最低賃金を確認し、いくら上げるかを決めるところから始めます。

引上げ額でコースを選ぶ

50円コース事業場内最低賃金を50円以上引き上げる
70円コース70円以上。人数区分で上限が変わる
90円コース90円以上。特例区分は最大600万円
支給額は設備費×助成率と助成上限額の低い方です。

コースと助成上限額

助成上限額は、引上げ額のコースと、賃金を引き上げる労働者の人数で決まります。事業場の規模が30人未満の場合は、別の(多くの区分で有利な)上限額が適用されます。

コース引き上げる労働者数上限額(右記以外)上限額(30人未満)
50円1人30万円40万円
50円2〜3人40万円70万円
50円8人以上110万円110万円
70円1人40万円50万円
70円2〜3人50万円100万円
70円8人以上230万円230万円
90円1人90万円100万円
90円2〜3人150万円240万円
90円8人以上450万円450万円

主な区分を抜粋しています。4〜5人・6〜7人の区分と、特例事業者が10人以上を引き上げる場合の区分(最大600万円)もあります。

助成率は、事業場内最低賃金が1,050円未満なら5分の4、1,050円以上なら4分の3です。支給額は「設備投資などにかかった費用×助成率」と「上限額」を比べて、安い方なります。上限額いっぱいの投資をしても、上限額を超えて支給されることはありません。

対象になる事業場

次の3つをすべて満たす事業者が対象です。申請は会社単位ではなく、工場・事務所など労働者がいる事業場ごと行います。

引き上げる対象になるのは、週の所定労働時間が20時間以上の雇用保険加入者です。また、事業場内最低賃金として引き上げる労働者は、雇入れから6か月を経過している必要があります。

申請できるのは9月1日から。締切は最低賃金の発効日で決まる

令和8年度の申請期間は令和8年9月1日からで、締切は「申請する事業場の都道府県で適用される地域別最低賃金の発効日の前日」か「11月30日」のいずれか早い日です。賃金の引上げは、自社が交付申請を行ったから、地域別最低賃金の発効日の前日までに行います。9月1日以降であっても、申請より前に引き上げた分は対象になりません(交付要領 第2の7)。事業の完了期限は、交付決定を受けた年度の1月31日です。

富山県では、令和8年8月5日に富山地方最低賃金審議会時間額1,119(現行1,062円から57円の引上げ)と答申しました。富山労働局は令和8年10月1日の発効を見込んでおり、正式には令和8年9月1日ごろの官報公示で確定します。この見込みどおりであれば、富山県の事業場の申請の締切は令和8年9月30日で、受付開始の9月1日から約1か月しかありません。富山県内の事業者向けの具体的な進め方は、【令和8年度】富山県の業務改善助成金|締切9月30日見込みと手続きの順序解説しています。

申請後に実施する順序

計画・申請賃金と設備の計画を提出
賃金引上げ申請後、地域別最低賃金の発効日前日までに実施
交付決定・発注決定通知後に設備を発注・導入
報告1月31日までに完了して実績報告
賃金は申請後、設備は交付決定後という違いを押さえます。

つまずきやすい4点

制度の要件そのものより、進め方でつまずく相談が多い部分です。

お、事業場内最低賃金が1,050円未満の事業者や、原材料費の高騰などで直近6か月平均の利益率が前年度比3%ポイント以上低下した事業者は「特例事業者」として扱われます。後者に当たる場合は、通常は対象外のパソコンなどの新規導入も助成対象になります。

ここは自社だけで判断しないほうがよい

よくある質問

交付決定を待たずに設備を発注してもよいですか?
いけません。設備の発注・契約は交付決定後に行います。賃金引上げは交付申請後、地域別最低賃金の発効日前日までに行い、設備は決定通知を待つという順序です。
すでに地域別最低賃金より高い時給を払っています。使えますか?
現在の地域別最低賃金を上回っていても、差額が50円以内で、かつ令和8年度改定後の地域別最低賃金を下回る場合は対象になり得ます。事業場でいちばん低い時給を、現在額と改定後額の両方に照らして確認してください。
設備投資の費用が上限額を超えたら、上限額まで出ますか?
支給されるのは「費用×助成率」と「上限額」を比べて安い方です。たとえば90円コースで8人を引き上げ、上限額450万円・助成率5分の4のとき、設備投資が600万円なら480万円と450万円を比べて450万円が支給されます。費用を増やしても上限額は超えません。

今日から行う3つのこと

  1. 全労働者の時間換算額を出し、最も低い額を特定する
  2. 導入設備の見積書と生産性向上の説明を準備する
  3. 発注・賃上げを止めたまま、地域の申請期限を確認する

当事務所のサポート

みなの社会保険労務士事務所は、事業場内最低賃金の確認と引上げ額の設計、交付決定までの段取り、就業規則への反映、申請書類の作成までを支援します。助成金の申請支援は成功報酬制です。「そもそも自社が対象になるのか」の段階からご相談ください。

参考となる公式情報

※ 2026年7月28日時点の公式情報を確認しています。制度は改正されることがあります。手続き・金額・期限は、上記の公式情報や管轄窓口で最新の内容をご確認ください。

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