サービス 助成金 料金 支援の進め方 事務所案内 ブログ 社労士とは 書式・窓口 → 無料相談を申し込む
助成金

【令和8年度】人材開発支援助成金|人材育成支援コースの金額と期限

人材開発支援助成金は、従業員に職務に関連した訓練を計画的に受けさせた事業主に対して、訓練期間中の賃金や訓練にかかった経費の一部を助成する制度です。人材育成支援コースはそのなかでも中心的な位置づけのコースで、令和8年度は訓練メニューが1つ増えたほか、支給申請時に提出する書類にも変更がありました。制度の骨格自体は例年と大きく変わっていませんが、細部の要件を取り違えると対象から外れてしまうため、研修を計画する段階で最新の内容を確認しておく価値があります。

この記事が役立つ方

対象従業員研修の費用負担を抑えたい中小企業の経営者・人事担当者
困りごと訓練メニュー、助成率、計画届の期限を自社研修に当てはめにくい
読後にできること対象訓練、助成見込額、研修開始前に整える書類を判断できる

この記事のポイント

  • 人材育成支援コースには4つの訓練メニューがあり、令和8年度から45歳以上の労働者を対象にした「中高年齢者実習型訓練」新たに加わりました
  • 中小企業の基本水準は、賃金助成が1人1時間あたり800円、経費助成率が45%(訓練修了後に賃金等を上げると60%)です。中小企業以外はこれより助成額・助成率が低く設定されています
  • 計画届は訓練開始日の6か月前から1か月前までに提出する必要があり、これを過ぎるとその訓練は対象になりません。提出したことが受給を保証するものでもありません

4つの訓練メニュー

人材育成訓練職務関連の10時間以上のOFF-JT
認定実習併用職業訓練認定を受けたOFF-JTとOJT
有期実習型訓練有期契約労働者等の正社員転換を目指す
中高年齢者実習型訓練45歳以上を対象とする令和8年度の新メニュー
受講者と訓練方法から、該当メニューを先に絞ります。

人材開発支援助成金・人材育成支援コースとは

人材開発支援助成金は、労働者に職務に関連した専門的な知識・技能を習得させる訓練を計画に沿って実施した事業主に対して、訓練期間中の賃金や訓練にかかった経費の一部を助成する制度です。対象になるのは雇用保険の適用事業所と、そこに雇用される雇用保険被保険者です。

助成金には複数のコースがあり、人材育成支援コースはそのなかでも基本となる位置づけで、次の4つの訓練メニューで構成されています。

訓練メニュー内容主な対象者
人材育成訓練職務に関連した知識・技能を習得させる10時間以上のOFF-JT雇用保険被保険者全般
認定実習併用職業訓練厚生労働大臣の認定を受けた、OFF-JTとOJTを組み合わせた訓練主に新規学卒者等
有期実習型訓練正社員等への転換を目的にOFF-JTとOJTを組み合わせた訓練有期契約労働者等
中高年齢者実習型訓練
令和8年度新設
実践的なスキル習得を目的にOFF-JTとOJTを組み合わせた訓練45歳以上の労働者

もっとも申請件数が多いのは、通学制の研修やeラーニングなど10時間以上OFF-JTを対象にした「人材育成訓練」です。以下では、主にこのメニューを中心に助成額を解説します。

助成額はいくらか。賃金助成と経費助成

助成額は、訓練期間中の賃金の一部にあてる「賃金助成」と、受講料やテキスト代などの経費にあてる「経費助成」の2本立てです。中小企業とそれ以外(大企業)で水準が異なります。

区分中小企業中小企業以外
賃金助成額(1人1時間あたり)800円400円
経費助成率(通常)45%30%
経費助成率(賃金要件等を満たす場合)60%45%

「賃金要件等を満たす場合」とは、訓練修了後に受講者の賃金を5%以上引き上げるか、資格手当の支給を就業規則等に定めて実際に支給し、その前後で賃金を3%以上引き上げた場合です。有期契約労働者等を対象にした人材育成訓練は、経費助成率が70%(要件を満たすと85%)とさらに高く設定されています。

認定実習併用職業訓練・有期実習型訓練・中高年齢者実習型訓練ど、OJTを組み合わせるメニューは経費助成率がそれぞれ異なるほか、OJT分について1人1コースあたり10万円〜20万円程度(中小企業、賃金要件等を満たすとさらに上乗せ)の定額助成が別枠であります。対象になる経費は受講料・教材費・部内外講師への謝金などが中心で、訓練経費として支給申請までに事業主が全額を負担している必要があります。

自社が中小企業に該当するかどうかは、業種ごとに資本金額または常時雇用する労働者数のどちらかで判定します(支給申請時点の状況で判定)。

主な業種資本金基準従業員数基準
小売業(飲食店を含む)5,000万円以下50人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
卸売業1億円以下100人以下
上記以外(製造業等)3億円以下300人以下

中小企業の基本水準

賃金助成1人1時間あたり800円
経費助成対象経費の45%
賃金等を引き上げた場合経費助成率60%
実際の支給額は時間数・対象経費・上限で決まります。

助成には上限がある

賃金助成にも経費助成にも、それぞれ上限が設定されています。経費助成の上限額は、支給申請時点の実訓練時間数に応じて次のとおり区分されます(1人1訓練あたり)。

実訓練時間数中小企業中小企業以外
10時間以上100時間未満15万円10万円
100時間以上200時間未満30万円20万円
200時間以上50万円30万円

このほか、次の上限も設けられています。

研修の前後で期限を分ける

  1. 開始6か月前〜1か月前職業訓練実施計画届提出する
  2. 訓練期間中出欠、実施時間、賃金支払いの証拠を残す
  3. 訓練終了後所定期間内支給申請書と証拠書類を提出する
研修申込みより前に、計画届の期限を確認します。

計画届の提出期限と支給申請の期限

この助成金は、訓練を始める前に「職業訓練実施計画届」管轄の労働局に提出しておくことが前提です。提出期間は訓練開始日の6か月前から1か月前までの定められています。たとえば7月1日から訓練を始める場合、計画届の提出期間は1月1日から6月1日までです。すでに始まっている研修や、1か月を切ってから始める研修は、原則としてこの助成金の対象になりません。

新たに雇い入れた労働者だけを対象にした訓練で、雇入れ日から訓練開始日までが1か月以内の場合や、天災などやむを得ない理由がある場合は、訓練開始日の前日までの提出でも認められます。

訓練を実施したあとは、訓練終了日の翌日から2か月以内(厳守)支給申請書を提出します。この期限には猶予がないため、訓練の実施スケジュールと合わせて社内で管理しておく必要があります。

お、計画届を提出したこと自体は、助成金の受給を保証するものではありません。支給・不支給は、支給申請後の審査を経て決まります。

申請前に整えておきたい2つの準備

人材育成訓練など主なメニュー(有期実習型訓練を除く)を申請するには、計画届を提出する時点までに、次の2つを済ませておく必要があります。

どちらも一度整えれば、その後の内容変更について別途の届出は不要です。まだ選任・策定していない場合は、計画届を提出するまでに済ませておけば足ります。

令和8年度に変わった点

令和7年度の案内資料と比べると、人材育成支援コースには次の変更がありました。

賃金助成額や基本的な経費助成率そのものの水準は、令和7年度時点から据え置かれています。

ここは自社だけで判断しないほうがよい

よくある質問

オンライン研修やeラーニングでの受講でも対象になりますか?
経費助成の対象にはなりますが、賃金助成は付きません。人材開発支援助成金では、eラーニングや通信制の訓練について経費助成のみを対象としており、訓練時間中の賃金助成は対象外です。1コースあたり10時間以上、または標準学習期間が1か月以上であることなど、通学制とは別の要件も定められています。
すでに申し込んだ研修や、来週から始まる研修でも間に合いますか?
間に合わない可能性が高いです。この助成金は、訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に「職業訓練実施計画届」労働局に提出しておくことが前提になっています。すでに始まっている訓練や、開始まで1か月を切っている訓練は、原則として対象になりません。研修を検討し始めた段階で早めにご相談いただくのが安全です。
自社が「中小企業」に当てはまるか、どう判断すればよいですか?
業種ごとに定められた資本金額または常時雇用する労働者数のどちらかを満たせば、中小企業事業主として扱われます。たとえばサービス業なら資本金5,000万円以下または常時雇用する労働者100人以下、製造業など他の業種なら資本金3億円以下または労働者300人以下が目安です。判定は支給申請時点の状況で行われます。

今日から行う3つのこと

  1. 研修名・カリキュラム・見積書・開始日を1枚にまとめる
  2. 受講予定者が雇用保険被保険者か確認する
  3. 開始日の1か月前から逆算し、計画届の社内締切を置く

当事務所のサポート

人材育成支援コースは、どの訓練メニューを選ぶか、賃金要件等の加算を狙うかどうかによって、実際に受け取れる金額が変わります。みなの社会保険労務士事務所は、自社の研修がどのメニューに当てはまるかの整理から、職業能力開発推進者の選任や事業内職業能力開発計画準備、計画届のスケジュール管理、支給申請までを支援します。助成金の申請支援は成功報酬制です。研修を計画する段階でのご相談も歓迎します。

参考となる公式情報

※ 2026年7月28日時点の公式情報を確認しています。制度は改正されることがあります。手続き・金額・期限は、上記の公式情報や管轄窓口で最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

助成金 【令和8年度】トライアル雇用助成金|月額最大4万円の要件と期限 助成金 キャリアアップ助成金 2026年度の変更点まとめ
NEXT STEPS

記事をお読みいただき、ありがとうございました。
もし気になる点があれば、次の3つの入口をどうぞ。