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就業規則

介護の処遇改善加算と就業規則|キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅲの整え方

キャリアパス要件は、申請書のチェック欄を埋めるためだけのものではありません。職位と賃金、研修、昇給の関係を職員が理解でき、実際に運用されていることが重要です。キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅲを、整える書類と運用記録まで含めて解説します。

この記事が役立つ方

対象キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅲを初めて整える介護事業所
困りごと規程・研修・評価を別々に作り、申請後にどう運用するか見えない
読後にできること職位と賃金、研修、昇給を一つの制度としてつなぎ、必要な記録を決められる

この記事のポイント

  • 要件Ⅰは職位・職責・任用条件と賃金体系、要件Ⅱは研修・資格取得支援、要件Ⅲは昇給の仕組みです
  • 就業規則や内規を作るだけでなく、全対象職員への周知と評価・研修の実施記録を残します
  • 2027年3月末までの整備誓約には条件があり、すべての事業所が無条件で使えるわけではありません

キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅲを制度と運用でつなぐ

要件Ⅰ職位・職責・任用条件と賃金体系
要件Ⅱ研修・資格支援と能力評価
要件Ⅲ客観的な昇給基準と判定時期
図1:書面化、周知、実施、記録、見直しまでを一つの運用にします。

キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅲの違い

要件ごとに整える内容と証拠書類

要件整える内容主な証拠書類
Ⅰ 任用・賃金体系職位、職責、職務内容に応じた任用条件と賃金体系就業規則、賃金規程、職務・等級表、周知記録
Ⅱ 研修・資格支援職員との意見交換を踏まえた目標と具体的な研修・支援計画研修計画、受講記録、面談記録、資格取得支援規程
Ⅲ 昇給の仕組み経験、資格または評価に基づく昇給・昇給判定昇給基準、評価表、判定時期、評価結果
要件Ⅰは役割に応じた賃金体系、要件Ⅲはそこからの昇給方法を定める点が異なります。

要件ⅠとⅢは似ていますが、役割に応じた賃金体系を作るのが要件Ⅰ、そこからどう昇給するかを定めるのが要件Ⅲです。役職名だけを増やしたり、「勤務成績により昇給することがある」とだけ記載したりするのではなく、任用と昇給の判断基準が追えるようにします。

要件Ⅰ:職位と賃金を対応させる

要件Ⅰでは、介護職員を任用する際の職位・職責・職務内容と、任用条件および賃金体系を定め、書面で整備して全介護職員へ周知します。たとえば「一般職・中堅・リーダー」の職務を分けるなら、経験年数や資格、評価等の任用条件と、基本給・役職手当等との対応も示します。

常時10人未満で労働基準法上の就業規則作成義務がない事業場は、内規等でも要件を満たせます。ただし、口頭説明だけではなく、書面と周知の証拠が必要です。10人以上の事業場で就業規則変更する場合は、労働者代表の意見聴取と労働基準監督署への届出も行います。

要件Ⅱ:研修を勤務シフトと評価へ落とし込む

研修計画は、管理者だけで決めるのではなく、職員と意見交換しながら資質向上の目標を設定します。その上で、OJT・OFF-JTと能力評価を組み合わせる方法、または資格取得に向けたシフト調整、休暇、受講料等の支援を行う方法を選びます。

計画の様式や期間は一律に決められていません。年間予定表だけで終わらせず、対象者、実施日、受講内容、評価・面談結果を残すと、実地指導時にも説明しやすくなります。職員の意見は会議だけでなく、面談やメール、アンケート等で集める方法も考えられます。

要件Ⅲ:客観的な昇給基準と判定時期を決める

昇給の仕組みは、勤続・経験年数、資格取得、または実技試験や人事評価などの客観的基準を使います。別法人で取得した資格を持つ中途採用者も昇給対象となり得る制度にする必要があります。

昇給方法は基本給が望ましいとされていますが、手当や賞与でも構いません。重要なのは、評価項目と昇給条件、いつ判定するかを明文化し、非常勤を含む対象職員に適用可能な仕組みにすることです。

2026年度の整備誓約を使うときの注意

2026年度の整備誓約は「後で整えればよい」という免除ではない

利用条件既存の対象サービスでは、申請時点でキャリアパス要件Ⅰ〜Ⅲ等が未整備でも、令和8年度特例要件を満たす事業所に限り、2027年3月末までの整備を誓約できる取扱いがあります。ケアプランデータ連携システムの利用等、特例要件そのものも誓約する場合を含みます。
誓約の位置づけ誓約は免除ではありません。期限までに規程・研修・昇給制度を整え、実績報告書で報告します。
運用までの工程期限直前に規程だけ作るのではなく、職員説明と運用開始まで逆算した工程が必要です。
特例要件そのものを誓約する場合を含め、期限から逆算して進行します。

ここは自社だけで判断しないほうがよい

規程の作成だけで要件を満たしたと判断しないでください

10人未満だから口頭で済ませる内規等を使う場合も書面化し、対象職員への周知記録を残します。
整備誓約を無条件で使う令和8年度特例要件への適合と、2027年3月末までの整備・実績報告を確認します。
職位名と評価表を別々に作る任用条件、賃金、研修、評価、昇給判定が非常勤を含む対象者へつながるか確認します。

よくある質問

職員が10人未満でも就業規則が必要ですか?
労働基準法上の就業規則作成義務がない常時10人未満の事業場では、キャリアパス要件の根拠を内規等で整備し、職員へ周知する方法も認められています。
キャリアパス要件Ⅲでは毎年必ず昇給させる必要がありますか?
求められるのは、経験、資格または客観的な評価に応じて昇給する仕組み、または一定の基準で定期に昇給を判定する仕組みです。評価基準と判定時期を明文化し、実際に運用できる状態にします。
2027年3月までに整備すれば、今は何もなくても申請できますか?
無条件ではありません。既存の対象サービスで令和8年度の整備誓約を使うには、令和8年度特例要件を満たすか、その取組も誓約する必要があります。期限までの整備と実績報告も必要です。

キャリアパス整備で、まず行う3手

  1. 現在の職位・職務・任用条件・基本給・手当の対応を一覧にする
  2. 研修計画、評価項目、昇給基準、判定時期を職位と賃金へつなげる
  3. 規程化から職員説明、実施記録、見直しまでの担当と期限を決める

当事務所のサポート

みなの社会保険労務士事務所は、現在の職員構成を基に、職務・等級表、賃金規程、評価表、研修計画を一つのキャリアパスとして設計します。加算申請用の形だけでなく、採用時の説明や日々の面談でも使える制度に整えます。整備誓約の期限から逆算した進行管理も含め、まずは現行規程をお見せください。

参考となる公式情報

企画の参考にした民間解説

※ 2026年7月28日時点の公式情報を確認しています。制度は改正されることがあります。手続き・金額・期限は、上記の公式情報や管轄窓口で最新の内容をご確認ください。

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