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就業規則

就業規則の「テンプレート流用」が招く3つのリスク

就業規則その会社の実情に合っていることが重要です。インターネット上のひな型をそのまま使用していると、以下のようなリスクが生じます。

この記事のポイント

  • 最大のリスクは、規則が「自社の実態」と合っていないこと
  • 固定残業代は、内訳の書き方の不備で無効と判断されやすい
  • 法改正のたびに見直しが必要。作りっぱなしは危険

ひな型流用と自社向け整備の違い

BEFORE ひな型をそのまま流用実態とのずれ、古い法令、曖昧な懲戒・残業代規定が残りやすい
AFTER 自社の実態に合わせて整備条文、運用、雇用契約をそろえ、トラブル時の根拠にする
就業規則は、会社で実際に行っている運用と一致して初めて機能します。

リスク1:未払い残業代の請求

テンプレートの残業代計算が、実際の給与体系や勤務実態と合わない場合、割増賃金の不足額を再計算して支払う必要が生じます。特に固定残業代制度は、「月給に残業代を含む」という一文だけでは足りません。

固定残業代の確認は3点セット

就業規則・賃金程・労働条件通知書を並べ、①固定残業代の計算方法・金額と対応する時間数、②固定残業代を除いた基本給等の額、③固定時間を超えた時間外労働、休日労働・深夜労働の割増賃金を追加で支払う旨が明確か確認します。不足額の有無と金額は、実際の労働時間、賃金額、対象期間によって変わります。

固定残業代規定の確認例

確認資料確認する内容
就業規則・賃金規程固定残業代の対象となる割増賃金の範囲、計算方法、超過分の精算方法
労働条件通知書・雇用契約書基本給等と固定残業代を区分し、金額と対応時間数を個別に明示しているか
給与明細・勤怠記録毎月の実労働時間で不足額を照合し、超過分を支払っているか
規程、雇用契約、給与計算の内容を同じ条件にそろえます。

リスク2:解雇・懲戒処分の無効化

懲戒事由・解雇事由が曖昧なテンプレートでは、実際に問題社員への対応が必要になった際、根拠規定として機能しません。結果として処分が無効と判断され、復職や賃金支払いを命じられる可能性があります。

リスク3:法改正への未対応

育児・介護休業法、ハラスメント防止法など、近年労務関連法令は頻繁に改正されています。古いテンプレートを流用していると、最新の法令に対応できておらず、結果的に法令違反となる場合もあります。

就業規則を見直す5つの手順

  1. 実態確認規則・契約・運用のずれを確認
  2. 条文を修正法令と自社の実態へ合わせる
  3. 意見を聴く過半数代表者の意見書を作成
  4. 労基署へ届出常時10人以上の事業場で対応
  5. 従業員へ周知いつでも閲覧できる状態にする
条文だけ直して終わらせず、意見聴取・届出・周知まで進めます。

改定は「点検→修正→意見聴取→届出→周知」

まず、就業規則と雇用契約、勤怠・給与の実際の運用を照合します。条文を修正したら、労働者の過半数で組織する労働組合、該当する労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者の意見を聴き、意見書を添えて届け出ます。

常時10人以上の労働者を使用する事業場は、就業規則の作成・変更時に所轄の労働基準監督署届け出る義務があります。「会社全体」ではなく、支店・店舗など事業場単位で人数を確認します。10人未満で届出義務がない場合でも、定めた規則は従業員がいつでも確認できるよう周知し、労働条件通知書や実際の運用と一致させる必要があります。

30秒セルフチェック

チェック項目確認ポイント
固定残業代基本給等と区分し、金額・対応時間数・超過分の追加支給を明記しているか
懲戒事由自社で起こりうる問題行動を具体的に列挙しているか
休職規定期間の上限・賃金・復職手続き・期間満了時の扱いがあるか
法改正対応育児・介護休業法、ハラスメント防止など直近の改正を反映しているか
届出事業場ごとの常時使用労働者数を確認し、10人以上なら意見書を添えて届け出たか
周知掲示、備付け、社内システムなどで従業員がいつでも見られる状態になっているか

ひとつでも「あいまいかも」と感じたら、見直しのタイミングです。

対策:自社に合わせた整備

就業規則は「会社の憲法」とも言われます。形式的に整えるのではなく、自社の業態・人員構成・労働時間制度に合わせて整備することが、トラブル防止の第一歩です。

ここは自社だけで判断しないほうがよい

判断を分けたい3つの場面

固定残業代の条文と給与設定が違う雇用契約・明細を含めて整合させないと、未払い残業代の争いにつながります。
解雇・懲戒の適用を検討している条文があるだけで処分できるとは限らず、事実・手続き・相当性の確認が必要です。
常時10人以上の事業場で改定する意見聴取、届出、周知の手順を欠くと、改定内容を実務で使えないおそれがあります。

よくある質問

テンプレートをそのまま使っていると、就業規則は無効になりますか?
規則そのものが直ちに無効になるわけではありません。問題になるのは、規定が自社の給与体系や勤務実態と合っていない場合と、懲戒事由・解雇事由が曖昧で根拠規定として機能しない場合です。前者は不足額の支払い、後者は処分が無効と判断される可能性につながります。
「月給に残業代を含む」と書いてあれば、固定残業代として認められますか?
その一文だけでは足りません。就業規則・賃金程・労働条件通知書を並べ、①固定残業代の計算方法・金額と対応する時間数、②固定残業代を除いた基本給等の額、③固定時間を超えた時間外労働・休日労働・深夜労働の割増賃金を追加で支払う旨が明確かを確認します。不足額の有無と金額は、実際の労働時間、賃金額、対象期間によって変わります。
届出が必要かどうかは、会社全体の人数で判断しますか?
事業場単位で判断します。支店・店舗など事業場ごとに常時使用する労働者数を確認し、10人以上の事業場は意見書を添えて所轄の労働基準監督署へ届け出ます。10人未満で届出義務がない場合も、定めた規則は従業員がいつでも確認できるよう周知し、労働条件通知書や実際の運用と一致させます。

この記事を読んだ後の3手

  1. 規程、雇用契約、給与設定、実際の運用を同じ項目で並べる。
  2. 賃金・懲戒・休職など、影響の大きい不一致から修正する。
  3. 意見聴取・届出・周知まで担当と日程を決める。

当事務所のサポート

現在の就業規則の現状確認から、実態に合わせた改定、労働基準監督署への届出まで対応します。「うちの規則、大丈夫かな?」という段階でのご相談も歓迎です。

参考となる公式情報

※ 制度は改正されることがあります。手続き・金額・期限などの詳細は、上記の公式情報や管轄の窓口で最新の内容を必ずご確認ください。

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