処遇改善加算には、計画書、体制届、実績報告書があり、提出期限の数え方も同じではありません。2026年4月・6月の特例期限はすでに経過しているため、これから算定を始める事業所が使う通常期限を中心に、変更時と年度末までの流れを整理します。
この記事が役立つ方
対象年度途中から処遇改善加算を算定したい介護事業所
困りごと計画書・体制届・変更届・実績報告の期限と提出先を混同している
読後にできること算定開始月から必要書類を逆算し、給与実績まで月次で管理できる
この記事のポイント
- 年度途中の計画書は算定開始月の前々月末、体制届は居宅系が前月15日、施設系が開始月1日までが原則です
- 令和8年度の実績報告は通常2027年7月31日までで、根拠資料と併せて2年間保存します
- 事業所の増減、加算区分、キャリアパスの適合状況、就業規則等を変更した場合は変更届の要否も確認します
年度途中の算定は開始月から逆算する
- 前々月末処遇改善計画書
- 体制届居宅系は前月15日、施設系は開始月1日
- 算定開始毎月、加算額と給与を照合
- 実績報告最終支払月の翌々月末
図1:計画書・実績報告書と根拠資料は2年間保存します。
計画書と体制届は別の書類
処遇改善計画書は、賃金改善額、配分方法、キャリアパス要件や職場環境等要件の充足状況を申告する書類です。一方、体制届は、どの事業所がどの加算区分を算定するかを指定権者へ届ける書類です。計画書だけ、または体制届だけでは足りません。
複数の事業所を運営する法人は、計画書と実績報告書を法人単位で一括作成できます。ただし、指定権者が異なる場合は、それぞれの指定権者へ提出します。体制届は事業所ごとに必要です。
年度途中から算定する場合の通常期限
計画書と体制届は期限の数え方が違う
| 書類 | 通常期限 | 10月から算定する例 |
| 処遇改善計画書 | 初めて算定する月の前々月末 | 8月31日 |
| 体制届(居宅系) | 算定開始月の前月15日 | 9月15日 |
| 体制届(施設系) | 算定開始月の1日 | 10月1日 |
指定権者が定める受付方法と休日の扱いも確認します。
2026年4月・5月分の計画書期限は4月15日、6月に新設されたサービスだけを算定する事業者等の期限は6月15日でしたが、いずれも本記事公開時点では経過しています。今後の申請は上表の通常期限で逆算し、指定権者が定める受付方法と休日の扱いを確認します。
実績報告は「最後の支払月」から数える
実績報告書は、事業年度における最後の加算支払月の翌々月末までに提出します。令和8年度は、2027年3月サービス分の加算が通常2027年5月に支払われるため、提出期日は通常2027年7月31日です。
計画書と実績報告書は、給与台帳、加算額の通知、配分計算表、法定福利費の計算、規程、周知資料等の根拠資料と併せて2年間保存します。年度末にまとめて確認すると不足に気づいても調整期間が短いため、毎月の加算額と賃金改善額を照合します。
変更届と特別事情届出書が必要な場面
変更内容によって使う届出を分ける
別紙様式4を確認法人の合併、申請対象事業所の増減、算定区分の変更、キャリアパス要件の適合状況の変更など、正式通知に列挙された変更があれば確認します。
変更後の区分を算定する期限原則として居宅系が前月15日、施設系が開始月1日です。
実績報告と別紙様式5処遇に関する就業規則の改訂だけで加算区分が変わらない場合は、実績報告時に変更概要を届け出ます。事業継続のため既存の賃金水準を引き下げる場合は別紙様式5の特別事情届出書が必要ですが、これによって労働法上の不利益変更手続が不要になるわけではありません。
変更後の区分を算定する期限は、原則として居宅系が前月15日、施設系が開始月1日です。
提出前に最新版の様式を取り直す
厚生労働省は、令和8年度実績報告書を2026年7月14日に差し替えています。以前保存したExcelをそのまま使わず、提出時点で厚生労働省または指定権者のページから最新版を入手してください。入力後は、対象事業所、加算区分、賃金改善期間、提出先の4点を別の担当者が確認すると事故を減らせます。
ここは自社だけで判断しないほうがよい
書類名だけでなく、指定権者・変更内容・給与実績を確認します
同じ期限を全サービスへ当てる居宅系・施設系、指定権者、休日の扱いで提出日を確認します。
変更届の要否を名称で決める事業所、算定区分、要件、賃金水準への影響から別紙様式4・5を確認します。
保存済みの様式を使い続ける提出時点の最新版を取り直し、対象事業所・区分・期間・提出先を照合します。
よくある質問
- 2026年6月の期限を過ぎても年度途中から算定できますか?
- 通常の年度途中算定の期限に従えば申請できます。計画書は算定開始月の前々月末まで、体制届は原則として居宅系が前月15日、施設系が算定開始月の1日までです。
- 処遇改善計画書だけを提出すれば算定できますか?
- 計画書とは別に、介護サービス事業所ごとの体制届も必要です。提出先、様式、受付方法は指定権者に確認してください。
- 計画書や給与資料はいつまで保存しますか?
- 正式通知では、処遇改善計画書と実績報告書を根拠資料と併せて2年間保存するとされています。給与台帳、配分計算、周知資料等も対応関係が分かる形で保管します。
届出管理で、まず行う3手
- 算定開始月とサービス区分から計画書・体制届の期限を逆算する
- 事業所・算定区分・規程・賃金水準の変更有無を月ごとに確認する
- 最新版様式を使い、加算額と賃金改善額を毎月照合して実績報告へつなげる
当事務所のサポート
みなの社会保険労務士事務所では、算定開始月から逆算した提出日程、計画書と体制届の整合確認、賃金改善の月次管理、変更届・実績報告までを一つの管理表で支援します。複数事業所や指定権者が分かれる場合も、提出先を整理して抜けを防ぎます。年度途中から取得できるか迷っている段階でもご相談ください。
参考となる公式情報
企画の参考にした民間解説
※ 2026年7月28日時点の公式情報を確認しています。制度は改正されることがあります。手続き・金額・期限は、上記の公式情報や管轄窓口で最新の内容をご確認ください。