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社会保険

社会保険の適用拡大、パートさんへの影響は?

社会保険の適用拡大により、短時間労働者への適用が拡大しています。これにより、これまで社会保険に加入していなかったパート・アルバイトも対象となる可能性があります。

この記事が役立つ方

対象パート従業員の契約と社会保険加入対象を見直す会社
困りごと4分の3基準と短時間労働者要件、2026・2027年の変更が重なる
読後にできること誰がいつから加入し、何を説明・届け出るか判断できる

この記事のポイント

  • まず通常の労働者の所定労働時間・所定労働日数と比べる「4分の3基準」を確認
  • 月8.8万円の賃金要件は2026年10月に撤廃予定、企業規模要件は2027年10月に36人以上拡大予定
  • 加入要件を満たせば本人の同意は不要。説明は行い、労働時間や賃金を一方的に引き下げない

短時間労働者の現在の4要件

週所定労働時間週20時間以上
所定内賃金月額8.8万円以上
雇用見込み2か月を超える見込み
学生ではない休学中・夜間学生等には例外あり
この判定より前に、通常の労働者の4分の3基準を確認します。

最初に「4分の3基準」を確認する

パート・アルバイトという名称だけで、適用拡大の4要件を判定するわけではありません。同じ事業所で働く通常の労働者と比べて、1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数がいずれも4分の3以上なら、企業規模や月8.8万円の要件にかかわらず、原則として社会保険の加入対象です。

4分の3基準を満たさない人について、次の時期別の要件を確認します。

2026年10月・2027年10月で判定条件が変わる

適用時期企業規模4分の3未満の短時間労働者の要件
2026年9月30日まで厚生年金被保険者数51人以上週20時間以上・所定内賃金月8.8万円以上・2か月を超える雇用見込み・学生でない
2026年10月1日〜2027年9月30日厚生年金被保険者数51人以上週20時間以上・2か月を超える雇用見込み・学生でない
(月8.8万円の賃金要件は撤廃予定)
2027年10月1日以降厚生年金被保険者数36人以上週20時間以上・2か月を超える雇用見込み・学生でない

※企業規模は単純な在籍人数ではなく、フルタイムおよび通常の労働者の4分の3以上働く厚生年金被保険者の数で判定します。法人は同じ法人番号の適用事業所を合算します。国・地方公共団体の事業所や、労使合意により任意で適用を受ける事業所などは別の取扱いがあります。

適用拡大の確認時点

  1. 現在4分の3基準と、現行の短時間労働者要件で判定
  2. 2026年10月月額8.8万円の賃金要件が撤廃予定
  3. 2027年10月企業規模要件が36人以上拡大予定
施行時期と最新の日本年金機構資料を確認して対応します。

本人の負担はどのくらい?(目安)

月額賃金8.8万円(標準報酬月額88,000円)の場合の、本人負担の目安です。

項目月額の目安
健康保険料約4,200円
厚生年金保険料約8,100円
合計約12,300円 / 月

※協会けんぽ(富山県)・40歳未満(介護保険非該当)・令和8年度料率の例。料率は年度・都道府県により変わります。会社もほぼ同額を負担します。

一方で、厚生年金に加入することで将来の年金額が増え、傷病手当金・出産手当金の対象にもなります。「負担が増える」だけでなく「保障が手厚くなる」面もあわせて説明すると、納得を得やすくなります。

会社が取るべき対応

いつ主担当用意するもの・行うこと
現在〜適用日の3か月前人事・労務担当厚生年金被保険者数、雇用契約書、労働条件通知書、週所定労働時間・月所定労働日数の一覧を用意し、4分の3基準と短時間労働者要件を判定
適用日の1〜2か月前人事・給与担当、所属長対象者へ加入日、本人負担、給与控除開始月、被扶養者から外れる手続きを説明。質問と本人の希望を記録
加入要件を満たした日から5日以内社会保険担当被保険者資格取得届を日本年金機構へ提出。扶養家族を追加する場合は被扶養者届等も確認
最初の給与計算前給与担当標準報酬月額、加入保険者の料額表、自社の控除方法を確認し、給与ソフトと明細へ反映

加入要件を満たす場合、本人の同意は加入の条件ではありません。会社は「加入するかどうか」を選んでもらうのではなく、該当理由、負担と給付、手続き日程を説明します。

加入前に会社が確認すること

  • 対象者ごとの週時間・月日数・賃金・雇用見込み
  • 本人負担と手取りへの影響説明
  • 被扶養者から外れる手続き
  • 資格取得届と給与控除開始月
加入要件を満たす場合、本人の希望だけで未加入にはできません。

注意点:被扶養者から離脱

これまで配偶者の被扶養者だっ方が新たに加入する場合、世帯の手取り収入に影響することがあります。働き方の見直し(労働時間短縮など)を希望する従業員もいるため、面談で意向確認を行いましょう。

労働時間・賃金を一方的に引き下げない

社会保険への加入を避ける目的で、会社が本人の合意なく所定労働時間や賃金を引き下げることは避けます。労働条件の変更は労使の合意が原則で、就業規則よる不利益変更にも合理性と周知などの要件があります。

本人が働き方の変更を希望する場合も、変更後の契約が4分の3基準や時期別要件に該当しないかを再判定し、開始日、所定労働時間、賃金、業務範囲を労働条件通知書等明記します。

ここは自社だけで判断しないほうがよい

よくある質問

「106万円の壁」と「130万円の壁」は何が違う?
2026年9月までは、所定内賃金月8.8万円が短時間労働者の加入要件の一つです。2026年10月にこの賃金要件は撤廃予定です。130万円は健康保険の被扶養者認定使われる収入基準ですが、勤務先で社会保険の加入要件を満たす場合は、130万円未満でも勤務先の健康保険・厚生年金へ加入します。
本人が「加入したくない」と言ったら?
要件を満たす場合の加入は法律上の義務で、本人の同意は加入要件ではありません。本人が働き方の変更を希望しても、会社が労働時間や賃金を一方的に引き下げることは避け、4分の3基準と適用時期を確認したうえで、労使で合意した内容を書面に残します。

今日から行う3つのこと

  1. 全パートの契約時間・日数・賃金・雇用見込みを一覧化する
  2. 4分の3基準を先に判定し、残る人へ短時間労働者要件を当てる
  3. 加入候補者へ説明する日と資格取得届の担当を決める

当事務所のサポート

対象者の洗い出しから、従業員向け説明資料の作成、資格取得手続きまで一貫して支援します。

参考となる公式情報

※ 現在の対象は従業員(厚生年金被保険者)51人以上の企業ですが、2027年(令和9年)10月からは36人以上段階的に拡大される予定です。最新の対象・要件は上記の公式情報で必ずご確認ください。

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