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社会保険

月額変更届はいつ必要?|随時改定の3条件と4か月目の実務

昇給したからといって、すぐに社会保険料が変わるわけではありません。固定的賃金が変動した後の3か月を確認し、3つの要件をすべて満たすと、4か月目から標準報酬月額を改定します。

「昇給月」ではなく、変更後の賃金を実際に支払った月が変動月です。給与締め日と支払日の関係を確認しないと、判定期間を1か月ずらしてしまいます。

この記事が役立つ方

対象昇給・手当変更後の社会保険料を判定する給与・総務担当者
困りごと変動月、3か月平均、等級差、控除開始月のどこを起点にするか迷っている
読後にできること固定的賃金の変更から月額変更届・給与ソフト反映までを一つの管理表で追える

この記事のポイント

  • 固定的賃金の変動、2等級以上の差、支払基礎日数の3要件を確認する
  • 変動月から3か月の報酬全体を使い、4か月目から改定する
  • 届出後は、標準報酬月額と給与ソフトの保険料控除をつなげて確認する

月額変更届を判定する4段階

固定給変動変更後の賃金を実際に支払った月
3か月集計非固定的賃金を含む報酬全体
等級比較原則2等級以上
4か月目改定・控除反映
図1:昇給日ではなく、変更後の賃金を実際に支払った月を起点にします。

随時改定の3つの条件

次の条件をすべて満たす場合に随時改定を行い、月額変更届を提出します。

随時改定の三つの条件をすべて確認する

条件確認内容
固定的賃金の変動基本給、役付手当、住宅手当、時給単価、給与体系などが変わった
2等級以上の差変動月から3か月平均の標準報酬月額と従前を比較する
支払基礎日数3か月すべて17日以上。特定適用事業所の短時間労働者は11日以上
標準報酬月額の上限・下限にまたがる一定の場合は、1等級差でも対象になることがあります。

標準報酬月額の上限・下限にまたがる一定の場合は、1等級差でも対象になることがあります。

変動月から4か月目までの流れ

4月に支払う給与から固定的賃金が変わった場合、4月・5月・6月の報酬を平均し、要件を満たせば7月の標準報酬月額から改定します。変更後の賃金が初めて支払われた月が起点です。

比較に使うのは固定給だけではありません。残業手当などの非固定的賃金を含む報酬全体で3か月平均を計算します。該当した場合は、事業主が月額変更届を日本年金機構へ速やかに提出します。

間違えやすいケース

固定的賃金の変動か、名称ではなく実態で分ける

  • 残業代だけが増減:固定的賃金の変動がなければ、原則として随時改定の契機になりません。
  • 残業単価や契約時間を変更:固定的賃金の変動として対象になり得ます。
  • 固定給は上がり、総報酬は下がった:増減の方向が逆なら対象外です。
  • 遡及昇給:差額を支払った月を変動月とし、差額を除いて判定する取扱いがあります。
支給額・支給率と、変更後の賃金がどの給与月へ反映されたかを確認します。

手当の名称だけで決めず、支給額や支給率が固定されているか、変更後にどの月の給与へ反映されたかを確認します。

届出後は給与計算への反映まで確認する

判定から保険料控除までをつなげる

  1. 変更内容と給与反映月を記録する
  2. 3か月の全報酬と支払基礎日数を集計する
  3. 健康保険・厚生年金の等級をそれぞれ比較する
  4. 改定月と自社の保険料控除月を確認する
  5. 決定通知と給与フトの標準報酬月額を照合する
決定通知と給与トの標準報酬月額まで照合し、控除月のずれを防ぎます。

届出が完了しても、給与ソフトの等級や控除開始月がずれていれば精算が必要になります。判定から控除までを一つの管理表で追うと安全です。

ここは自社だけで判断しないほうがよい

手当名や昇給日だけでは随時改定を判定できません

固定的賃金かどうか基本給・手当・単価・契約時間の変更内容と、実際の支払月を確認します。
増減方向と支払基礎日数固定給と総報酬の方向、3か月すべての日数要件を個人ごとに確認します。
例外と控除開始月上限・下限の特例、遡及昇給、自社の保険料控除月を一続きで確認します。

よくある質問

残業代が増えただけでも月額変更届は必要ですか?
固定的賃金の変動がなく、残業時間の増加だけで報酬が増えた場合は、原則として随時改定の対象になりません。残業単価や支給割合を変更した場合は別です。
3か月のうち1か月が17日未満ならどうなりますか?
原則として3か月すべてが支払基礎日数の要件を満たす必要があります。特定適用事業所の短時間労働者は11日以上で判定します。
通勤手当や在宅勤務手当の変更も対象ですか?
支給額や支給率が固定された手当の追加・変更は、固定的賃金の変動になり得ます。名称ではなく支給条件と実際の変更内容を確認します。

賃金変更後に、まず行う3手

  1. 固定的賃金の変更内容と、変更後の賃金を実際に支払った月を記録する
  2. 3か月の報酬全体・支払基礎日数・等級差を健康保険と厚生年金で確認する
  3. 届出後の決定通知、改定月、給与ソフト、保険料控除月を照合する

当事務所のサポート

みなの社会保険労務士事務所は、昇給・手当変更の拾い上げ、3か月判定、月額変更届、給与ソフトへの反映まで一続きで確認します。

参考となる公式情報

※ 2026年7月28日時点の公式情報を確認しています。制度は改正されることがあります。手続き・金額・期限は、上記の公式情報や管轄窓口で最新の内容をご確認ください。

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